虫眼鏡(シングルレンズ)使用での
鮮明でシャープな像の得られる天体望遠鏡の作り方(製作記)

● 全体の概観 ●

紙管を20cmに切ったものと、缶ジュースのボトル缶を使った
天体望遠鏡です。

この天体望遠鏡の最大の良い部分は、

『ボトル缶の栓の部分で蓋を回す事で、焦点を合わせる事ができる』…という
廃物利用の接眼部装置です。作り方の詳細を紹介致します。

「誰でもが作れるよ!」という事を伝えたいので、
あえて、概観は塗装もせずに、そのままの加工時の汚れが付いたままに
してありますが、ちゃんと白色などで、塗装すれば、
もっと概観は、格好が良くなるでしょうが、でも塗装などしない…
お金をかけずに作るという頑固さなので、お許しを…!!!


金属への穴あけなど、具体的に機械加工部分ができない方は、
私が別途見積り依頼にて、穴あけの補助を致します。
最下部の方の● 金属穴あけの別途補助 ●より、どうぞ〜!
金属を使わないで、お菓子の筒などを利用する方法もあります。



星の見え方は、非常に綺麗で、実用的です。
お子様の初めての望遠鏡として、作られると宜しいと思います。

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★ この天体望遠鏡の見え方 ★

主に、漠然と星空を眺める『星野観望』に向いています。
倍率は、10倍前後が一番適しています。
そのため、月面観察や惑星観察など、高倍率を
要する天体望遠鏡ではありません。
でも、スバルやヒアデス星団、ペルセウス座の二重星団などは、
観察できました。(東京、品川区の光害地にて実施)

また、天体望遠鏡なので、逆さまの像となりますが、
逆さまのままで構わなければ、昼間の風景を見るなどの
双眼鏡代わりにもなりますので、1台あると重宝しますね!

風景を昼間、デジカメを手で持って間接撮影法で撮影した写真は、
こちらです。デジカメを手で持っての撮影なので
ブレたりするなど画像の劣化がありますが
実際の見える像は、かなり鮮明でシャープです。
青山の看板が見えたので、それを撮りました。
↓の写真をクリックすると拡大されます。
その拡大された状態の大きさで大よそ見えます。




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★ 虫眼鏡シングルレンズ天体望遠鏡製作記 ★

紙管を2つ用意します。
この紙管は、こちらで売っております。2つセットで1000円(税込み送料別)
紙管切り売り販売のサイト

それで、紙管の切り寸法ですが、20cmを1本と5cmを1本用意します。
20cmの方は、本体として使用。5cmの方は、虫眼鏡対物レンズの
フードとして、使用します。





そして、缶ジュースのボトル缶を用意します。
私は、復刻堂という三ツ矢サイダーの缶を使いました。
そして、缶の蓋には、24.5mmの穴を中心に開けると良いですが
私の場合は、24.5径のケルナー20mmと31.7径のプルーセル25mmの
両方を使用したかったために、独自で旋盤を使い、両方が
使えるように、アタッチメントを作りました。

寸法などの表示は、以下の通りです。





これは、31.7径用の接眼部をボトル缶に穴を
開けて、取り付けた状態の部品です。
↓の写真は、31.7径→24.5径に変換するための
アタッチメントです。




★ 絞りの径の計算と、その作り方 ★


絞りについては、シングルレンズの場合は、
必ず必要となります。絞りの場所は、
対物レンズの前と本体にあるボトル缶の底に入れます。
どのくらいの径か?と言えば、

一般的にF値が2.4D以上あれば、色収差はなくなります。
Dは、口径(対物レンズの直径)をcmで表したものです。

通常、虫眼鏡の焦点距離は、レンズの直径に関係なく
200mmくらいが殆どですから、仮に口径を2.5cmまで絞りを入れたと
仮定すると、F値は、対物レンズの焦点距離(mm表示)÷口径(mm表示)ですから
200÷25=8となり、F値は、8です。
一方、そのF値が2.4D以上あれば、色収差がなくなるわけです。
2.4×2.5(cm表示)=6となり、F値が8ならば、OKなのです。

絞りは、何でも良いです。ペラペラの紙で構いません。
フードの紙管を紙の上に載せて、押さえて、
鉛筆などで、外周の円をなぞります。
そして、中心に2.5cmの穴をコンパスなどで描き
はさみで切ります。
それをフードにかぶせて、ガムテープで押さえればOK。

もう一方の絞りは、ボトル缶の底に穴を開けますが
これは、旋盤で開けます。径は2cmです。
私の場合は、ボトル缶が旋盤のチャックに収まらないので、
栓の部分で押さえたため、力を入れると芯が出なくなるので
そーっと削ったので、2cm開けるのに、1時間かかって
しまいました。
それで、缶の底のセンターに、2cmの穴を開けたのです。

ボトル缶の底に、穴が開けられない人には、
通常の円柱形の物(例えば、お菓子のチップスターの筒)の
片側に紙で作った絞りを入れて、もう片側の筒底部分をカッターで
切って接眼部にするという方法もあります。

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★ 接眼レンズを組み込んだ状態 ★

31.7径の接眼レンズ PL25を装着した状態がこちら。







次に、手に持っている24.5径変換アタッチメントと
31.7径の接眼部の写真は、こちら。






そして、その手で持っている24.5径変換用の
アタッチメントを取り付けて、K-20を取り付けた状態がこちら。




写真の左側にあるL字型の金具は、
家に、あったブリキの板に穴を開けてファインダー代わりにしてみました。
でも、実際は、低倍率なので、あまり使いません。


あと、カメラの三脚に取り付ける部分は、
家に、あった鉄の材料を切って、平行六面体(直方体)を
作り、筒との結合は、モクネジで、
三脚との結合は、2分のインチネジでタップを切って
作りました。

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★ 用意する材料など ★

最後に、用意する材料などをまとまてみました。

・紙管(長さ20cmと5cmを各1本)
・ボトル缶
・接眼レンズ(ケルナーか、プルーセルタイプで焦点距離が20mm前後が良い。)
             この場合、倍率は、10倍くらいで、口径が2.5cmです。
・絞りを作る為の紙(新聞の折込広告の紙などで良い)
・ガムテープ
・虫眼鏡
・はさみ、カッターなど。
・テンプレート定規など。
・ネジ類(私の場合は、6ミリのネジとか、モクネジなどを使いました。)

あれば、尚良い用意する機械は、
旋盤、ボール盤。

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● 金属穴あけの別途補助 ●

機械の無い方は、別料金にて私が、穴明けや
ねじ切りなどしてさしあげても構いません。
穴あけ見積りなどはメールにて。


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● 当サイト関連リンク集 ●


紙管切り売り販売
自作の天体望遠鏡用の筒材販売のサイト。


短焦点反射望遠鏡製作記
短焦点反射望遠鏡キットによる製作記。


天体望遠鏡 販売ショップ『アルビレオ』
お薦め天体望遠鏡の紹介。パーツ、三脚、双眼鏡他多数。
天体望遠鏡の選び方、観測方法なども紹介。


ぶんたの天体望遠鏡/出張指導サービス
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